大阪精工株式会社は、健康経営を会社の成長戦略の軸と考えるとともに、経営理念の実現の手段として健康経営の実践を位置づけました。
まずは、戦略的、計画的に実践することで、取り組みをより一層充実したものとするために、総務部で 抱えていた健康経営に関わる業務を切り出し、責任と権限を付与し、プロジェクト型で取り組んでいくこととし、裁量をもって取り組んでいます。
社員にやりがいをもって働いていただくために、ハーズバーグの二要因理論(Herzberg’s theory of motivation)にある動機付け要因と衛生要因の2つについて改善、向上が必要と考えます。
動機付けは、経営理念の浸透が重要ですが、教育・研修の充実など実務以外にも知識を習得する機会を 提供することで成長を感じてもらえるような仕組みづくりに取り組みはじめました。
ワークエンゲージメントを高めてもらうには何が必要か、模索しながらの状態です。
一方、衛生要因に関わりますが、健康経営推進プロジェクトを進めることで従業員の健康をしっかり サポートできる体制、働く環境を整えていくことが、結果として健康経営につながる取り組みとなり、 福利厚生の充実につながっていくのではと考えております。
今後は、定年の上限年齢が延びるなど労働力人口の高齢化が進んでいきます。まだまだ若い会社ですが、働く社員の年齢が高くなっても、安心して働ける環境を整備していきたいと考えています。
この会社で働いていて良かったなと思っていただける会社、退職後もいつまでも健康でセカンドライフが楽しめる会社を目指していきます。
代表取締役社長 澤田展明
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健康宣言
「安心して、やりがいを持って働ける、働きがいのある環境づくり」
私たち大阪精工株式会社は、ユーザー、取引先、社員にとって魅力ある企業体であるために、経営理念である「大きな会社より、良い会社」に基づき、社員全員が心身ともに健康に働き続けることができる環境を目指し、ワーク(仕事)とライフ(生活)の調和と充実を図ることを宣言します。
活動方針
・良い会社を目指して、社員一人一人がいきいき働けるよう、食事改善、喫煙、労働環境の整備を重点活動項目として活動します。
・良い会社を目指して、社員の健康意識が高まるよう、健康意識向上に役立つ情報発信や 教育、指導を行っていきます。
・良い会社を目指して、社員が仕事(ワーク)と生活(ライフ)のバランスを大切にできる文化を醸成し、いきいき働ける職場を目指します。
2023年~2025年目標(2年間)
1.健康意識の向上
健康に留意しているかどうかの意識調査
KPI:2023年度 健康に留意している割合 62%を75%まで向上させる
2.健康診断有所見者の再検査・精密検査の受診率向上
仕組みの再構築とフォロー活動の実施
KPI:有所見者の再検査・精密検査受診率 8%を34%まで向上させる
3.肩こり・腰痛の改善
ラジオ体操の実施や研修によって、症状の緩和や対象者の減少
KPI:肩こり者率 47%から37%に改善
腰痛者率 36%から28%に改善
4.婦人科検診の受診率
・婦人科検診(乳がん(マンモグラフィー、エコー)や子宮がん)の検診に必要な時間を特別休暇で取得することができます。
・婦人科検診の制度拡充と受診率向上
KPI:受診率35%から50%に向上
2022年度健康経営目標
・インフルエンザウイルス・ノロウイルス・新型コロナウイルス感染症の集団感染の予防
インフルエンザウイルスワクチンの職場における就業時間内、集団予防接種の実施
インフルエンザウイルス予防接種費用は全額会社負担
インフルエンザウイルス・ノロウイルス・新型コロナウイルスに感染し、発症した場合は
特別有給休暇を付与
単位:件 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
特別休暇取得日数 67 33.5 20 0 0
2018年にインフルエンザウイルス感染者が増えたことから、2019年よりインフルエンザウイルスワクチン接種を各事業場で就業時間内に全額会社負担で実施することにより、集団感染予防に貢献。さらに、医師の診断書、新型コロナウイルスの場合は陽性を証明できれば、特別休暇を付与していますが、今後も継続予定です。
・働き方改革の推進
過重労働防止に対する意識の改善と人員不足対策
1日3時間以上の残業者人数
単位:件 2021年 2022年
1日3時間以上残業件数 365 321
部署や人による残業の偏り抑制のために実施し、結果として部署間での偏りについて改善効果は 見られる。業務の内容等により偏りは発生するが、記録し、集計、分析することで業務の改善等につながる事例もあり、継続的に今後も実施予定です。
・健康診断・再検査受診率の向上50%(現状30%)
単位:% 2020年 2021年 2022年
受診率 30 16 8
受診率フォローを行うが、コロナ禍で、受診控えが起き、受診率が大きく向上していません。
今後は研修等を実施して、ヘルスリテラシーの向上を図り行動変容が起きるよう改善を行います。
・BMI25以上前年比10%減 72名➡65名
単位:人 2020年 2021年 2022年
BMI25%以上 72 66 80
新型コロナ対策による運動機会の減少や出勤抑制などにより、活動がやりづらい環境下でありましたが、本年度より、新たな施策の検討・実施を行う予定です。
・喫煙率割合20%減 95名➡75名
単位:% 2020年 2021年 2022年
喫煙率※ 37 38 37
※一部データ未取得の事業場があり参考値
屋内全面禁煙等の施策は実施済みであるが、禁煙を推進する活動ができていないため、新たな施策を検討し、禁煙アプリの推奨など、禁煙希望者のフォローを実施予定です。
・社員食堂 食事内容改善
特に夜間に提供する食事の改善が急務であるが、人数的な課題、衛生的な課題、味付け、新たに対応する業者が不在など、難しい環境下ではあるが、冷凍弁当や支援金の増額など、いろいろな手段を 検討し、食事改善を実施する予定です。
総括
課題1:目標を設定することが目的化し、フォローが満足にできなかった
課題2:総務部を主幹部署にしたが、日常業務が優先気味になった
課題3:どのように取り組むか、具体的なスケジュール化ができていなかった。
それらの反省を踏まえ、外部の人材も活用しながら、新たに健康経営を推進するプロジェクトチームを発足し、社長も参加することで意思決定できる組織体とし、具体的な施策等まで細部にわたり、 課題の抽出を行い、改善策に優先順位をつけ、検討、改善を実施中です。
